2020年03月13日

高齢シリーズ その⑤:内分泌

こんにちは、勤務医の林です。桜の開花予報ではもうすぐ桜🌸が
咲きそうといわれています。やっぱり今年は早いですねー。
春が来れば我が家の猫の病気が見つかってちょうど丸一年。
時の経つのは速いものです。・・・、本当に速くて困る…⤵
我が家の猫🐱も治療中の『甲状腺機能亢進症』ですが、これは高齢に
なってきた猫でしばしば見られる内分泌疾患です。幸いにも薬で
コントロールできているので、このまま行けると良いですね。

というわけで?今回の高齢シリーズは内分泌疾患です。
まず【内分泌疾患】とはなんぞや?という所から書いていきますが、
「内分泌疾患とは体の中でもホルモン分泌に関連する病気」です。
なにやら難しそうな説明ですが、何個か病気を挙げていく中には
よく聞く病気もあるのでそんなに難しくはないハズ?💦


①糖尿病
とてもよく知られた病気ですね。最初に知っておいてほしいこととして
『太ってなくても糖尿病になることある!』ということがあります。
詳しい内容は省きますが、糖尿病の種類によってその後の治療が少し
変わってきます。その辺りはかかりつけの先生にご確認ください。

また大事なこととして『糖尿病は死ぬ可能性がある病気』ということも
挙げられます。そのため早期発見/早期治療がとても大事なのです。
早期発見のために自宅で気をつけて観察するポイントは
●排尿量が多い/飲水量が多い
●よく食べるけど痩せやすくなる  この2点に注意してください。

色々な合併症があり、命取りになることもある病気です。
糖尿病になると白内障にもなります! 眼科的にも要注意!


②甲状腺機能【亢進】症
この病気は中齢以上の猫🐱でちょこちょこ見られます。
甲状腺が働きすぎてしまう病気です。
この病気になると出やすい症状として、教科書的には
●排尿量が多い/飲水量が多い(←糖尿病と一緒)
●よく食べるけど痩せやすくなる(←糖尿病と一緒)
●動きが多くなり、場合によっては攻撃的になる
などが言われていますが、他には僕の経験的に
●吐きやすくなる   も症状として出やすいようです。

糖尿病と併せて、飲水量・尿量が多くなる病気です。
治療が遅れると高血圧から眼底出血や網膜剥離になることもあるので、
この病気も眼科的に注意が必要な病気です。


③甲状腺機能【低下】症
こちらは甲状腺が働きが落ちる病気で中齢以上の犬🐶に多いです。
この病気の症状は
●動きが悪くなって太る
●皮膚の状態が悪くなる
●顔が元気が無い感じになる

ポイントとしては『たんなる老化と間違えやすい』症状です。
老化かと思っていたらこの病気だった、ということもあるので
まずは一度相談してみてもらえればと思います。


④副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎が働きすぎる病気で、主に犬🐶に多い病気です。
この病気の症状は
●飲水量と尿量が増える(また出た!)
●毛が薄くなり、おなかが出てくる   が出やすいです。

以前はこの病気になっても寿命は短くならないと言われていましたが、
現在は合併症によって死亡してしまうことが知られています。
早めに見つけて対処することで急死を防ぐことが大事です。


内分泌疾患はこの4つで80%くらい占めているイメージがあります。
気になることがあれば早めにご相談ください。
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2020年03月06日

休日 その⑭:獣医内科学アカデミー。

おはようございます、勤務医の林です。
ちょっと前に食べたたらの芽の天ぷらが美味しくて美味しくて
テンションが上がっています✨
実家にいたころは山に分け入って自分で採っていましたが、今は中々
そういうことは出来ない環境と時代ですね。
他にもワラビやタケノコなんかも採っていましたが、今になって考えると
親も急に子供が採って帰ってきて扱いに困っていたかも…(^_^;)

1年前もこのタイトルでブログを書いたのですが、今年も横浜で
『獣医内科学アカデミー』が開催されたので参加したのでその報告を。
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今年は新型コロナウイルスの影響で開催されるかどうか不安でしたが
なんとか予定通りの日程で行えたようです。
当然僕自身も感染対策を様々に講じて行ってきました。おかげで?
今のところ熱も出なく無事に過ごせています。


多くの学会や大会では、それぞれ各部屋で様々な講演や症例検討などが
同時進行で行われ、その中から自分の聞きたいものを選択して聞きに
行くというスタイルが採られています。

今回の朝一番の時間帯に得意分野『眼科』の講演が行われていたので
まずはそれを聞いていました。
眼の疾患も多くありますが、その中でも一次診療で急いで対処するべき
疾患について講演を聞き、その中でも角膜潰瘍や水晶体脱臼について
講師の先生に話を伺ってきました。

他の時間帯ではレントゲンなど画像診断についてや安全な麻酔方法の
考え方などを聞き、有意義な一日を過ごせました。


ただ1つ心残りは今年は大会終了後に友人との意見交換という名の
夕食会を開けなかったことですね💦
観覧車を眺めながら一人寂しく帰宅の途につきます。笑。
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来年こそは前日からでも行って友人とご飯を食べたいですね✨

posted by ドル at 09:00| Comment(0) | 診療(林) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月04日

高齢シリーズ その④:口腔

ややショッキングな画像があるため、血などに弱い方は画像にご注意ください。

おはようございます、勤務医の林です。節分でしたね⤴
皆さまは恵方巻は食べましたか? 僕がスーパーに寄った時には
もう残っていませんでした⤵
年の数だけ豆を食べるのは「福を年の数だけ体に入れる」と
言うことが由来らしいですが、若い人だって福をいっぱい体に
入れたって良いじゃないかと思います。
ともあれ、福豆を摂って皆が幸福で長生きできると良いですね。

しかし、歳を取るとどうしても歯周病など口腔疾患が起きてきます。
犬や猫の場合、3歳以上の子の80%以上💥が歯周病を持っていると
いう報告もあるくらい口腔の異常は起こりやすい病気です。

自身で歯磨きが出来ないワンちゃんニャンちゃんの歯はどうしても
歯垢が付いて、歯石に覆われていきやすいです。
また最近では、無麻酔下での歯石取りを行う施設が増えていますが、
そういった施設では歯肉内の処置は行えないため、外見上はきれいに
見えても、見えない部分で歯周病が進行してあごの骨が融けている💥💥
ワンちゃんが来られることもあります。

・無麻酔下では歯肉内の処置は痛がるため行うことが困難である
  ・獣医師以外が出血を伴う処置を行うことは獣医師法違反になる
  という理由により一般施設で歯肉内処置は行うことがほぼ不可能である)

歯肉内で歯周病が進行するとあごの骨の中まで細菌感染が進行し、
歯の根っこの部分(根尖部)の骨が融けて歯がグラグラして抜けてしまうことが
多いのですが、奥歯の場合は根尖部が3本に分かれているため、1本の根尖が
ダメになっても残った根尖で歯が抜けないこともよくあります。

大きな声では言えませんが、どちらがまだマシかと言えば悪い歯は抜けて
しまった方がその部分は落ち着いてくれやすいです。
(本当はそうなる前にしっかり処置してあげるのが良いのですが。)
悪い歯が残っているとその部分で細菌がいつまでも増殖し、どんどん化膿が
悪化し、あごの骨が融け、上あごの場合は眼の下に穴が開きます💣💥

この子は眼の下から膿が出てきてしまい、投薬ではなかなか治まらないため
最終的に全身麻酔下で歯の処置を行いました。
歯の表面部分はそんなに汚れはひどくないのですが、よく見ると根尖部は
歯石がけっこう付いているのが見えます。
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ここまで状態が悪くなっていると抜歯が必要になります。
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奥歯の根尖部分がひどい化膿を起こして、完全に穴が開いていました。
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また、下あごの場合だと骨折して口が閉じられない辛い状態になります💥


猫だと『歯の吸収病巣』という疾患もあります。犬でもたまにありますが、
圧倒的に猫の方が発生率が高く、発生率は約50%という報告もあります。
この病気も歯がなくなってしまう病気であり、痛みも出やすい病気のため
猫の場合は歯石だけでなくこの病気にも注意が必要です。


高齢まで歯をなるべく残してあげるためには歯磨きが出来れば一番ですが、
中々できないことも多いので当院では歯磨き以外にも様々な口腔ケアを
飼い主様に提案しています。
歯磨き以外ではどんなやり方があるのかなど、お気軽にご相談ください。

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2020年01月08日

お知らせ:迷子のオカメインコ

おはようございます、勤務医の林です。今日はまじめなお知らせです。
オカメインコが迷子になったため探していますという連絡が病院にありました。

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もし「似たような子を見かけた」などの情報がありましたら
ご連絡いただければと思います。

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2019年12月17日

高齢シリーズ その③:関節

おはようございます、勤務医の林です。
最近はなんやかんやと忙しくてボルダリングにあまり行けてません⤵
おかげで(?)、良いのか悪いのか、指の痛みが大分減っています。
ですが最近肩を動かすとちょいちょい音が鳴ります。大丈夫かな?

寒くなってくると関節の痛みも出やすいので、今回の高齢シリーズは
関節について書いてみようと思います。

まず、最初に知ってほしいこととして、
猫🐱は【骨関節炎】になっている可能性がとても高いのです!
12歳以上の猫の90%以上の子に骨関節炎があるという報告があります。
また、犬🐶でも20%が骨関節炎を持っていると言われています。

次に、起きやすい病気を挙げていくと
・股関節形成不全
・前十字靭帯断裂
・肩関節不安定症
・変形性脊椎症    などが出やすくなります。

漢字が多くて読みにくいし、どんな病気か分かりにくいですね💦
なので、それぞれの病気を簡単に解説していこうと思います。


【股関節形成不全】
ざっくり言えば「股関節」の「形成」がおかしい、という病気です。
成長期の異常で生後6ヵ月ごろに症状が出やすいのですが、症状はその後
一度落ち着いた後、加齢などにより8歳前後から再度出やすくなります。

主な症状は『運動後の跛行』『変な歩き方』『活動性の低下』です。
興味深いことに、[痛みで足を挙げる]症状はほぼ出ません。

治療法は内科治療と外科治療に分かれますが、ほとんどの場合は
内科治療で症状をある程度に抑えていきますが、コントロール不可の
場合には外科治療を検討することもあります。


【前十字靭帯断裂】
「前十字靭帯」は膝にある靭帯の名前ですが、なんとなく聞いたことが
ある人もいるかもしれませんね。この靭帯が部分的にもしくは完全に
切れてしまう病気で、中齢以上の犬の後肢跛行の原因でよく見られます。

症状は『繰り返し跛行が起きる』『後肢を挙げてしまう』『横座り』が
主に出やすい症状です。

治療は早期の外科治療が推奨されていますが、症状や程度などから判断し
内科治療を行いながら経過を見て行くこともあります。


【肩関節不安定症】
肩関節に慢性的な外傷が加わることで起きる病気のため、活動性の高い
犬で発生が多い病気です。大型犬に多いイメージがあります。

『運動後の痛みを繰り返す』『わきを抱えると痛くて鳴く』という
前肢に出る症状が一般的です。

治療は外科治療が良いと言われていますが、安静を保ちながら内科治療を
行っていき、この病気と付き合っていくこともあります。


【変形性脊椎症】
これが関節炎かどうかというと少し違うかもしれませんが、今まで書いて
来た中で圧倒的に発生率が高い、背骨の一部が変形していく病気です。
レントゲンを撮った時に偶然見つかることも多いです。

多くの場合は無症状で終わることが多いですが、骨盤付近の脊椎で
変形が起きると神経症状が出ることもあります。
症状が無ければ基本的に無治療で経過観察していきます。


どの病気であっても、症状が出ないようにしていくのが一番のため、
定期的に病院で確認してもらうことが良いと思います。
気になることがあれば早めにかかりつけの獣医師にご相談ください。


✨年末年始の休診日のお知らせ✨

当院は年末年始は以下の日程で休診いたします。

休診期間中の緊急対応についてはホームページと留守番電話にて
ご案内しておりますのでご確認ください。

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