2019年12月24日

眼科 その⑪-2:眼の腫瘍。(犬、眼球)

おはようございます、勤務医の林です。これが今年最後の更新かな?

ようやっと、先日の健診の結果が出ました!
思っていた以上に去年より体重が減り、すこし嬉しいです✨
それでもまだ減らさなきゃいけないというこの事実…⤵
また来年に向けて一寸ずつがんばっていこうと思います。
一緒に検査した眼底や眼圧も異常が見つからず、ホッ(*´∇`*;△

と言うことで(?)、眼👀の腫瘍の2回目です。
前回は眼球そのものではなく、その周りにある組織の腫瘍について
書いてみました。なので、今度は眼球そのものの腫瘍についてです。

一言で『眼』と言っても、実際のところ、その構造は色々な
組織が組み合わさってできています。
『口』を例に出せば、その中には「歯」「歯茎」「舌」などが
あるように、『眼』そのものにも「結膜」「角膜」「網膜」など
聞いたことがあるだろうものから、マイナーな組織まで色々です。

これらを全部書いていくのは厳しいため、眼の腫瘍の中でも
主だったものを書いていこうと思います。


[角膜・強膜の腫瘍]
・角膜輪部の黒色腫
角膜と強膜の境目付近にできる、「黒色の腫瘤」です。
黒い物が大きくなるのが見えるため、発見しやすい腫瘍です。
良性の動きをすることが多いですが、良性であっても大きくなるに
したがって、緑内障や眼球炎を起こすことがあります。


[虹彩・毛様体(ぶどう膜)の腫瘍]
・ぶどう膜メラノサイト腫瘍
犬・猫ともに、眼の中で最も多く発生する腫瘍です。

虹彩黒色腫2.JPG
虹彩黒色腫.JPG
これはまだ若いボーダーコリーで見られた腫瘍です。向かって眼の
左上の方の茶色の濃い部分が腫瘍です。
犬🐶の場合、この腫瘍も良性のことが多く(80%程度が良性)、
全身転移することは少ないのですが、絶対とは言い切れません。

猫🐱の場合は、外見がこう見えないことが多いのですが、
虹彩のメラノサイト腫瘍はほぼほぼ悪性のため注意が必要です。


[網膜・視神経などの腫瘍]
この辺りに出来る腫瘍はかなり稀ですが、眼内出血や網膜剥離が
ある場合は腫瘍が原因のことがあるため、超音波検査などを
行って腫瘍がないかどうか見ることが必要です。


眼の腫瘍の場合、犬では良性のことが多く、猫では悪性のことが
多いのですが、良性であっても緑内障などを続発させることが
あるため、経過観察で絶対大丈夫とは言い切れません。
また、良性か悪性かを判断する場合は、基本的には眼球摘出を
行う必要性があることが多いです。
判断が難しい場所であるため、しっかりと眼科を勉強している
獣医師の診断を受けることをお勧めします。


次に僕がブログを更新するのは新年になってからの予定です。
年末年始、皆様と動物たちが健康に過ごせますように!
来年もよろしくお願いいたします!!



☆当院は年末年始は以下の日程で休診いたします☆

休診期間中の緊急対応についてはホームページと留守番電話にて
ご案内しておりますのでご確認ください。
図1.jpg


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2019年11月26日

眼科 その⑪-1:眼の腫瘍。(犬、眼の付属器)

おはようございます、勤務医の林です。僕自身の健診がもうすぐです!
普段は動物の健診を多く行っていますが、毎年この時期に自分の健診を
行っています。またオプションで眼の検査を追加しています。
僕は小さい頃に眼の病気で2回入院したので、眼の病気に気を付けています。
去年は体重がそれなりに増えてしまっていましたが💦、今年はいかに!

当院の健診でも『眼科精査』と眼を細かく診る健診内容もありますので
ワンちゃんニャンちゃんの眼が気になる方はぜひご相談ください。


というわけで、先日チラッと書きましたが、今回は『眼の腫瘍』について、
犬から書いていこうと思います。

眼の腫瘍、と言ってもざっくり大きく、
①『眼の付属部』の腫瘍
②『眼球そのもの』の腫瘍  の2つに分けて考えます。

ここまで書いて気付いたのですが、一気に書くとかなり長くなりそうなので
何回かに分けて書いた方が良さそうです(^_^;)(気付くのが遅いとも言う)



①『眼の付属部』には、「まぶた」や「瞬膜」があげられます。

「まぶた」には眼の表面を覆う油分を出すところ(マイボーム腺)があります。
高齢になると、この『マイボーム腺』に腫瘍ができている子をよく見ます。

マイボーム腺腫.jpg

このマイボーム腺の腫瘍は「良性」が多いという報告があり、
だいたい80%前後が良性だと言われています。
逆に言うと20%は悪性のため、様子を見ても絶対大丈夫とは言えません。
ただ、僕自身の感覚だと良性である可能性はもっと高いようにも思います。

また、たとえ良性だったとしても、腫瘍が大きくなってしまうと腫瘍が直接
眼球表面に当たって
しまい、刺激になったり傷を付けたりすることがあります。
その場合は、やはり、手術が必要になることが多いです。
良性か悪性かは切除して検査しないと確定できないため、その辺りを
お伝えし、手術を行うかどうかを飼い主様と相談しています。

また、マイボーム腺の腫瘍以外にもまぶたに出来る腫瘍はありますが、
基本的に悪性より良性の方が発生は多いです。
ただ、どれも見た目だけで「絶対大丈夫」とは言い切れないため、
きちんとかかりつけの獣医師と相談してもらうのが良いと思います。



「瞬膜」は目頭側に隠れている3つめのまぶたですが、ここは涙の水分を
作る機能などがあります。この瞬膜も高齢になると腫瘍ができることが
ありますが、腫瘍の発生率はそれほど高くありません。

↓下の写真は瞬膜腺癌のワンちゃんです。見る人によっては少し怖く
見えるかもしれないので、あえて写真を小さくしてあります。
クリックすると大きいサイズで見られますが、生々しい写真が苦手な方は
見ない方が良いかもしれません。

瞬膜腺癌.jpg
瞬膜腺癌によって、眼球が左上の方に追いやられてしまっています。

瞬膜の腫瘍は多くの場合で悪性のため、その腫瘍に対しどのように治療を
行っていくか、しっかりとした相談が必要です。


【腫瘍】と言っても出来る場所や状況により、予後は大きく変わってきます。
そのため、その子その子の状況に応じてどう治療をするかも変わってきます。
気になることがある場合は、正確な知識を持つ、信頼できる獣医師に
早めに相談してください。

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2019年11月09日

眼科 その10.5:ワイルドだろぉ?(←古い)

おはようございます、勤務医の林です。眼科シリーズが2ヶ月空いていた!
というわけでたまにやっている眼科の小噺シリーズです。

僕は常に眼鏡をかけていて、コンタクトは使ったことがありません。
理由は単純にコンタクトが怖いから💥
同じ理由で目薬も自分に上手く差せません。眼科を主に診療しているのに
それはそれでどうなんだろうかと思うことは正直あります💧

動物でもコンタクトを治療法の1つとして使うことはありますが、
人のように普段使いすることはありません。
ですが、眼鏡なら! 眼鏡なら動物でも普段使いできるのです!
まぁ、眼鏡というよりも、ゴーグルと言った方が正しいですね💦
3-1.jpg

この子は以前もブログに登場した子ですが、病気の影響で両眼とも
義眼になりました。当然眼が見えないため、お散歩の時に草むらに入って
眼を傷つけてしまうことが起きたため、オーナー様と相談しゴーグルを
かけてもらうことにしました。

6-1.jpg
ゴーグルのない素顔がこの状態。この顔だと可愛い系ですが、

2-1.jpg
ゴーグルをかけるとこの状態。ワイルドでかっこいいですね🎵


眼が見える普通の子でも、お散歩中に草むらに顔から突っ込んで
眼を傷つけてしまう子がたまにきます。
そんな子にも上のようなゴーグルは良いと思いますよ✋

興味のある方はご相談ください。


僕自身が目薬をできるようになる日が来るとは思えないので、眼の病気には一生なりたくありません💦
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2019年09月10日

眼科 その⑩:犬生いろいろ。白内障だって(原因)いろいろ。

おはようございます、勤務医の林です。太りやすい年ごろになってきたので、
健康と筋肉のため、家でYouTubeを見ながら少しずつ運動をしています。
中でもNHKで放送していた「みんなで筋肉体操」という動画が良い感じです💓
https://www.youtube.com/watch?v=PyJOEt2nsGQ
 https://www.youtube.com/watch?v=1GanGLmDt2I 他)
シリーズ物で何種類もあり、それぞれいろんな部位を鍛えられます。
しかしこのシリーズ、確かに好きなのですが、こんなには全くできません💧
「そのうちできるようになると良いな…」と、遠い眼をしております。笑。

人でも動物でもそうですが、肥満になると色々な病気になりやすくなります。
色々ある病気の中でも、とりわけ『糖尿病』は有名だと思います。
この糖尿病、血糖値が高いことで様々な問題が出る病気ですが、
実は人や犬では『白内障』も引き起こします💥
ということで、今回は主に犬🐶の白内障の原因を色々お伝えしていきます。


①加齢
・やっぱり白内障の原因は、この『加齢』が一番多いと感じます。
・加齢性の場合、早い子だと6歳くらいから発症することもありますが、
大体の場合は10歳を越えてから発症することが多いです。
・基本的に進行はゆっくりで、特に治療をしなくても問題を起こさないまま
寿命を全うできることもありえます。
(そうは言っても【絶対】ではないので、必ず獣医師の判断を仰いでください)

②糖尿病
・糖尿病を発症後に、急速に白内障が発症・進行します。
早ければ数日で真っ白になることもあるほど、糖尿病由来だと進行が速いです。
・なぜ糖尿病になると白内障になるかは、治療とあまり関係しないので割愛。
・進行が速いため進行後の合併症を起こすことも多く、素早い対応が必要です。
・可能なら早い段階で白内障の手術を行うと良いと思いますが、様々な理由から
手術ができない場合は、その後の合併症に対して十分な理解と治療が必要です。
(どんな理解や治療が必要になるかは獣医師にしっかりご確認ください。)

③外傷
・眼の中の『水晶体』に傷を負うと、その後白内障になりやすくなります。
・一番多い外傷の理由はネコちゃんと喧嘩して爪が刺さる、とかです。
あとは山に行ってバランス崩したりした時に枝が刺さる、とかもあります。
・眼の中まで到達する傷を負った時点で発症が予測できるので、
あらかじめ白内障に対して考えておくことが出来ると思います。
・発症したらどうするのか、獣医師としっかりご相談ください。

④生まれつき
・いわゆる『先天性』で生まれた時からある程度の白内障がある状態です。
・ただし先天性の場合、その「ある程度」からほとんどの場合進行しません。
・そのため基本的に治療の対象にはならず、経過観察で良いと思います。
・将来的に加齢性など他の原因で白内障が発症・進行することはあります。
・今まで見た中で一番大きな先天性白内障の症例です。
 ⇓⇓⇓眼の中の白い星みたいな部分が先天性の白内障です⇓⇓⇓
RIMG1383.JPG

⑤PRA(遺伝性網膜変性)の続発
・以前も少しだけ名前が出ましたが、『PRA』という徐々に眼が見えなくなる
遺伝病があります。この病気が発症すると、その後に白内障も発症します。
・この原因の場合、注意しないといけないのが『白内障の手術適応外』と
いうことです。(理由はかかりつけの獣医師にご確認ください。)
・PRAと白内障の両方に対しての管理が必要になるので、病気に対して
しっかりとした説明と理解が必要になると思います。

⑥遺伝性
・犬種的に『遺伝性白内障』とも言われる、若齢時から出る白内障があります。
・この場合は進行も早く、手術を行うかどうかなど早めの対応が必要です。
・出やすい犬種はある程度分かっているので、自分の飼われている子が出やすい
犬種かどうかは獣医師にご確認ください。

⑦その他
・それ以外にも放射線治療から続発したりなどいろいろな原因があります。
・書ききれませんし、起こることも稀なのでこのくらいまでで割愛します。

白内障の原因それぞれによって、治療法や考え方はだいぶ変わってきます。
『白内障』と診断を受けたら、その原因を聞き、今後どうしていくのが
良いのかをしっかり相談していただくことをお勧めします。


ちなみに、猫🐱ちゃんは白内障はかなり出にくいですね。
もし白内障が出たら眼に重い病気が潜んでいると思った方が良いくらいです。

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2019年08月06日

眼科 その⑨:眼が赤くて目ヤニも出てる。あれ? ゴミかな?

おはようございます、勤務医の林です。8月に入りまさに盛夏ですね。
今年の夏の目標は、ビール片手に庭で一人焼肉です!
小っちゃいバーベキューセットか七輪を買おうと画策中🎵

1595.jpg
(昭島で冬にあった『昭島矯正展』で買っとけば良かった…
 こんな感じの良いのを売ってたんですよねー。)
昼過ぎから始めて夜は室内で肴をつまみながら…、とか妄想してます✨
あとは蚊取り線香も用意しなきゃです。渦巻のやつが夏っぽいですよね。

動物で『蚊』というとフィラリアという寄生虫が有名です。
フィラリアは蚊から感染することはご存知と思いますが犬だけじゃなく、
猫やフェレットでもこのフィラリアは問題になります。
フィラリアの場合は細い糸みたいな虫が心臓付近に寄生するのですが、
今回の話題は眼に感染する寄生虫の話。

【眼虫】(東洋眼虫)という眼の表面に寄生する寄生虫がいます。
そのまんまのネーミングで分かりやすい。笑。
長さ1cm程度の白い糸みたいな寄生虫で、眼の表面からまぶたの裏あたりに
住みつきます。この辺りを動いていくため、犬や猫は異物感で眼を掻いたり
充血したり目ヤニが出たりします。

先日来られたチワワちゃんが、目ヤニが最近出てるということで
眼をしっかり見てみたら、、、いました。東!洋!眼!虫!!
図1.png

この寄生虫は【メマトイ】という小型のハエから感染します。
完全に虫をなくすためには全身麻酔をかけて物理的に除去することが推奨され、
また他の治療法として飲み薬を使っていくこともあります。
虫を倒すためじゃなく眼の症状を抑えるために、点眼薬も併用して治療します。

この子はおとなしい子だったので、まずは麻酔をかけずに眼虫をどんどん
取っていきました。何回か麻酔なしで虫を摘除するだけで終われそうです。


余談ですが、人に『犬回虫』や『猫回虫』が感染すると、体内をまわって
時として眼の中に行くことがあります💥
その場合、失明することもあるため、感染しないよう注意が必要です。
回虫は動物の便に卵が入っているため、犬や猫の排泄場所へ行った後は
しっかりと手洗いをしましょう✋

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