2020年03月27日

眼科 その⑬:うちの子、眼が見えない?-網膜編- 

おはようございます、勤務医の林です。めっきり春になりましたね。
丸2年を迎える我が家の枝垂桜もだいぶ満開に近付いています。
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今年咲いた物を来年も見られるとは限らないので、好きな物や
きれいな物は見られるうちにしっかり見ておきたいものです。

ということで?今回は物が見えなくなる【網膜】の病気です。
以前も『眼科その⑧』でざっくりとは書いたのですが、

http://watanabe-ah.seesaa.net/article/467671424.html
その中の網膜の病気を少し詳しく書いていこうと思います。


病気その①:網膜剥離
網膜の病気で最初に思いつくものと言えば『網膜剥離』だと思います。
まず病名が有名だし、名前からどんな病気か分かりやすいですね。

好発種:シーズー、コリー種、イタリアングレーハウンド、プードル
ただし好発犬種ではなくてもぶどう膜炎や緑内障など眼内の病気を
起こした後
は網膜剥離が起こりやすくなるので注意してください。

好発種:猫種によってなりやすい/なりにくいと言うより、
高血圧やぶどう膜炎などを起こした猫がなりやすい、と思った方が良いです。

原因としては1.遺伝性-特に原因らしいものが無くても遺伝的に発症する 
      2.続発性-ぶどう膜炎や外傷など眼の疾患の後に発症する
      3.高血圧や過粘稠症候群など全身の異常に伴って発症する
などが挙げられます。眼の病気だけでなく全身疾患にも注意ですね。


検査を行うことで、網膜剥離が『裂孔原性網膜剥離』タイプなのか
『非裂孔原性網膜剥離』タイプなのかを判断します。

(タイプに関しては難しい話になるのであえて細かい説明はしません。)

タイプが分かったらそのタイプごとに治療をしていきます。
外科治療と内科治療があるのですが、外科手術を行える病院は限られているのが
現状です。治すためには手術を行うことが必要になることも多いため、
今後手術を行える病院も少しずつ増えていくと思われます。
内科治療の場合は点眼薬や内服薬を使いますが、タイプによってはこの治療で
治ることも期待できます。


外科治療であっても内科治療であっても大事なことは、網膜剥離になってから
治療開始までの時間が短いほど視覚回復が期待できるということです。
逆に言えば、どれだけ良い治療をしようと思っても、網膜剥離になってから
時間が経ってしまっていると視覚は回復できない可能性が高いです。


次回以降に書く予定の『遺伝性網膜変性』や『突発性後天性網膜変性』などは
治療法が確立されていないため視覚回復はほぼ無理なのですが、網膜剥離は
【見えるようになる可能性がある】病気なので早めの対応を相談しましょう。


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2020年03月20日

手術:歯冠の修復を行いました

 院長の渡邊です。
当院ではレーザー治療、眼、腫瘍などそれぞれの分野でさまざまに特化した診療を行っておりますが、歯科治療にも力を入れており、一般的に行われるような歯を綺麗にする処置だけでなく欠けてしまった歯の歯冠修復なども手掛けております。
先日、奥歯(前臼歯)が欠けてしまったわんちゃんの歯の修復処置を行いましたので、その概要について記述いたします。

昔からわんちゃんにはおやつやオモチャとして骨やヒヅメなどが与えられてきました。今でもペットショップに行くとおやつ売り場には様々な種類の噛ませるためのおやつが売られています。ですが、売られている物の多くはわんちゃんの歯には硬すぎて悪影響を与えてしまうのです

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多くの場合はこの写真のように一番大きな奥歯(前臼歯)が割れてしまいます。この様になってしまうと歯の内部である歯髄と言われる部分が露出(露髄)してしまい、そこから歯髄へ細菌感染が起きてしまいます。その結果として歯に痛みが出たり、歯根部が化膿して腫れてきたり、場合によっては細菌が体内に巡ってしまい心臓病や腎臓病の引きがねになることさえあります。
そのような事が起こらないようにするため、当院では人の歯科と同様な歯冠修復処置を行っております。



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まず最初に欠けてしまった歯だけでなく全ての歯をスケーリング治療で綺麗にします。
きれいにした後は欠けて露髄してしまった部分の周りにドリルを使いくぼみを作ります。


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その部分に様々な処置をし歯科用のセメントを載せて固めます。

最後に修復した歯だけでなくそれ以外の歯も含めすべての歯を歯科用研磨機で磨きあげて表面を滑らかにします。


あまりにも状態の悪い歯の場合は、歯冠修復処置を行わず抜歯を行うこともあります。それは修復し歯を残すことで、将来的に大きな問題が発生することが予測されるためです。当院ではわんちゃん達それぞれの歯の状態にあわせて最適な治療法を提案しておりますので、気になることがあるようでしたらご来院ください。
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2020年03月13日

高齢シリーズ その⑤:内分泌

こんにちは、勤務医の林です。桜の開花予報ではもうすぐ桜🌸が
咲きそうといわれています。やっぱり今年は早いですねー。
春が来れば我が家の猫の病気が見つかってちょうど丸一年。
時の経つのは速いものです。・・・、本当に速くて困る…⤵
我が家の猫🐱も治療中の『甲状腺機能亢進症』ですが、これは高齢に
なってきた猫でしばしば見られる内分泌疾患です。幸いにも薬で
コントロールできているので、このまま行けると良いですね。

というわけで?今回の高齢シリーズは内分泌疾患です。
まず【内分泌疾患】とはなんぞや?という所から書いていきますが、
「内分泌疾患とは体の中でもホルモン分泌に関連する病気」です。
なにやら難しそうな説明ですが、何個か病気を挙げていく中には
よく聞く病気もあるのでそんなに難しくはないハズ?💦


①糖尿病
とてもよく知られた病気ですね。最初に知っておいてほしいこととして
『太ってなくても糖尿病になることある!』ということがあります。
詳しい内容は省きますが、糖尿病の種類によってその後の治療が少し
変わってきます。その辺りはかかりつけの先生にご確認ください。

また大事なこととして『糖尿病は死ぬ可能性がある病気』ということも
挙げられます。そのため早期発見/早期治療がとても大事なのです。
早期発見のために自宅で気をつけて観察するポイントは
●排尿量が多い/飲水量が多い
●よく食べるけど痩せやすくなる  この2点に注意してください。

色々な合併症があり、命取りになることもある病気です。
糖尿病になると白内障にもなります! 眼科的にも要注意!


②甲状腺機能【亢進】症
この病気は中齢以上の猫🐱でちょこちょこ見られます。
甲状腺が働きすぎてしまう病気です。
この病気になると出やすい症状として、教科書的には
●排尿量が多い/飲水量が多い(←糖尿病と一緒)
●よく食べるけど痩せやすくなる(←糖尿病と一緒)
●動きが多くなり、場合によっては攻撃的になる
などが言われていますが、他には僕の経験的に
●吐きやすくなる   も症状として出やすいようです。

糖尿病と併せて、飲水量・尿量が多くなる病気です。
治療が遅れると高血圧から眼底出血や網膜剥離になることもあるので、
この病気も眼科的に注意が必要な病気です。


③甲状腺機能【低下】症
こちらは甲状腺が働きが落ちる病気で中齢以上の犬🐶に多いです。
この病気の症状は
●動きが悪くなって太る
●皮膚の状態が悪くなる
●顔が元気が無い感じになる

ポイントとしては『たんなる老化と間違えやすい』症状です。
老化かと思っていたらこの病気だった、ということもあるので
まずは一度相談してみてもらえればと思います。


④副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎が働きすぎる病気で、主に犬🐶に多い病気です。
この病気の症状は
●飲水量と尿量が増える(また出た!)
●毛が薄くなり、おなかが出てくる   が出やすいです。

以前はこの病気になっても寿命は短くならないと言われていましたが、
現在は合併症によって死亡してしまうことが知られています。
早めに見つけて対処することで急死を防ぐことが大事です。


内分泌疾患はこの4つで80%くらい占めているイメージがあります。
気になることがあれば早めにご相談ください。
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2020年03月06日

休日 その⑭:獣医内科学アカデミー。

おはようございます、勤務医の林です。
ちょっと前に食べたたらの芽の天ぷらが美味しくて美味しくて
テンションが上がっています✨
実家にいたころは山に分け入って自分で採っていましたが、今は中々
そういうことは出来ない環境と時代ですね。
他にもワラビやタケノコなんかも採っていましたが、今になって考えると
親も急に子供が採って帰ってきて扱いに困っていたかも…(^_^;)

1年前もこのタイトルでブログを書いたのですが、今年も横浜で
『獣医内科学アカデミー』が開催されたので参加したのでその報告を。
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今年は新型コロナウイルスの影響で開催されるかどうか不安でしたが
なんとか予定通りの日程で行えたようです。
当然僕自身も感染対策を様々に講じて行ってきました。おかげで?
今のところ熱も出なく無事に過ごせています。


多くの学会や大会では、それぞれ各部屋で様々な講演や症例検討などが
同時進行で行われ、その中から自分の聞きたいものを選択して聞きに
行くというスタイルが採られています。

今回の朝一番の時間帯に得意分野『眼科』の講演が行われていたので
まずはそれを聞いていました。
眼の疾患も多くありますが、その中でも一次診療で急いで対処するべき
疾患について講演を聞き、その中でも角膜潰瘍や水晶体脱臼について
講師の先生に話を伺ってきました。

他の時間帯ではレントゲンなど画像診断についてや安全な麻酔方法の
考え方などを聞き、有意義な一日を過ごせました。


ただ1つ心残りは今年は大会終了後に友人との意見交換という名の
夕食会を開けなかったことですね💦
観覧車を眺めながら一人寂しく帰宅の途につきます。笑。
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来年こそは前日からでも行って友人とご飯を食べたいですね✨

posted by ドル at 09:00| Comment(0) | 診療(林) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする