おはようございます、勤務医の林です。
眼科シリーズも投稿数が増えてきて、タイトルを見ただけだと
自分でもどんな病気についてなのか分からなくなってきました💧
なので、今回から(今さらながら)病名も入れていきます。
今回の【虹彩萎縮】は『病気』というより『加齢性変化』のため、
虹彩萎縮を起こしてしまった子も辛い思いはほぼしない疾患です。
どんな変化かというと、『虹彩』の部分が『萎縮』するんです。
・・分かり切ったことを書くなと石を投げられるレベル。笑。
『虹彩』はこの茶色い輪っかになっている部分です。

明るかったり暗かったりする時に虹彩が瞳孔の大きさを調節します。
明るい時に瞳孔が小さくなるのは虹彩が『カーテンを閉じ』て、
眼の中に入ってくる光の量を減らします。
【虹彩萎縮】になると働きが悪くなり瞳孔が小さくなれなかったり、
虹彩自体が穴あきになってしまったりします。

この子は矢印の部分が穴あきになってしまっているのと、
瞳孔自体もあまり閉じられない状態になっています。
イメージとしては外から太陽光がすごい入り込んできているのに
カーテンを閉められなかったり、カーテンが穴あきでボロボロに
なっていて太陽光をあまり防げなかったりしている状態ですね。
そうすると普段の生活は問題ないけど外に出るとまぶしくて薄目に
したり、室内でも明るい部屋ではまぶしそうにしたりします💥
虹彩萎縮は加齢性変化であり、痛みなどはなく重度に進行した場合に
まぶしがるくらいでほかの症状もなく、また治療法もありません。
あまりにもまぶしそうにしている時はゴーグルをつけても良いかも?
(この子は虹彩萎縮でつけてるのではないですが、こんな感じのゴーグルもあります)
まぶしそうに薄目になっているだけ、と思っていたら実際は
痛くて眼を開けられないなんてこともあるので、普段と違う
感じがあったら早めに動物病院を受診してください。